Musashino Book Club

  1. 30周年記念版に寄せて

    ドーキンスは刊行30周年のまえがきで、『利己的な遺伝子』を「若者の本」として振り返ります。利己的なのは種や個体ではなく遺伝子である、とはどういう意味なのか。血縁者への利他行動、互恵的利他行動、ハンディキャップ理論を手がかりに、遺伝子の利己性と個体の利他性が矛盾しない理由を整理します。さらに、この理論から政治的・倫理的価値観を直接導くことの誤りも考えます。

    サンプル音声

    0:00--:--
  2. 第二版のまえがきの背景

    『利己的な遺伝子』第二版のまえがきに出てくる「革命の夜明け」とは何だったのか。1930年のフィッシャーから、ハミルトン、ウィリアムズ、プライス、トリヴァース、メイナード=スミスを経て、1976年のドーキンスへ至る流れをたどります。包括適応度、プライス方程式、進化的に安定な戦略の数学的な考え方を垣間見ながら、ドーキンスが初版を残し、注釈と第12・13章を加えた第二版の編集方針を読み解きます。

    サンプル音声

    0:00--:--
  3. トリヴァースによる1976年の序文

    『利己的な遺伝子』初版に寄せられた、ロバート・トリヴァースのまえがきを読みます。自然淘汰を知ることは、なぜ私たちのアイデンティティに関わるのでしょうか。自己欺瞞の進化、親子や性差を対称的に捉える視点、親による投資の差から選択と競争の傾向を数学的に導く考え方を紹介します。あわせて、生物学による説明と、女性の力や権利をめぐる倫理とを区別します。

    サンプル音声

    0:00--:--
  4. 初版のまえがき ティンバーゲンとウイリアムズ

    『利己的な遺伝子』初版のまえがきを入口に、ニコ・ティンバーゲンの「四つの問い」と、ジョージ・C・ウィリアムズによる群淘汰批判をたどります。動物の行動が何の役に立つかという説明と、その行動がなぜ進化したかという説明を区別し、ドーキンスの遺伝子中心の見方へ二つの流れがどうつながったのかを考えます。

    サンプル音声

    0:00--:--
  5. 第1章 人はなぜいるのか

    『利己的な遺伝子』第1章を読みます。生命が自らの存在理由を進化によって説明できるまでに三十億年かかった、という書き出しから、根強い「種の保存」という理解、ローレンツとドーキンスをめぐる誤読、群淘汰と集団内淘汰の違いをたどります。最後に、世代を越えて続く遺伝系列を進化の基盤として見る理由を問い、第2章の生命の起源へつなげます。

    サンプル音声

    0:00--:--